創造的仕事の社会学

たとえ組織の中に居ても、雇われているだけの仕事でなく、あくまでも自発的に物事を創出するようなスタイルとは? 惑うことなく豊かな精神性を持って仕事に向かいたい人々のためのエッセイ集。

2018-01-01から1年間の記事一覧

1.4. 「創造的仕事」という仕事

前記事のように、仕事は自由の効かない「苦役」の意味を多分にもつ性質の行為なのだと考えられる。しかし、そのような性質をもつとはいえ、仕事を社会システムから一方的に言い渡される「苦役」ととらえるかどうかは自分次第であるとも言える。 仕事とは上述…

1.3. 苦役としての仕事

「しごと」という言葉がすでに登場している江戸時代において、百姓の日々の仕事は「苦役」の意味が多分にあったであろうということは想像に難くない。この仕事の背景には武士との身分的格差が存在し、主に年貢を媒介とした支配関係において、百姓の仕事は本…

1.2. 社会システムのための仕事

前記事のように、仕事というのは本来的には単に「すること」といったありふれた意味であるが、そのなかでも他者のために向けられた行為について、他者から仕事と認められるものである。すなわち、仕事が仕事である条件は絶対的に決められるものではなく、仕…

1.1. 仕事の本来的意味

現代的な感覚では、「仕事」というと、生計を立てるための行為、すなわち、金銭を得るための行為を指すと考えるのがふつうであろう。しかし、「仕事」の「し」とは、語源的にはサ行変格活用の動詞「する」の連用形の「し」であり、すなわち仕事とは本来「す…